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2013年5月30日 (木)

マリーンズスカウトの「観る眼」

スポーツサイト、「Sportiva」にとてもとても面白い記事がありましたので、一部抜粋で紹介します。
全文はこちら。

ロッテ快進撃を支える、スカウトたちの「眼力」


 昨年は5位に甘んじ、オフもこれといった大型補強をしなかったマリーンズ。
(略)
近年、ドラフト下位や育成ドラフトで入団した選手の活躍が目立っている。
 こうした活躍の裏には、大胆に選手を起用する首脳陣の姿勢があるのは間違いない。しかしそれだけでなく、知名度や話題性に惑わされず、見どころのある選手をこまめに見出し、積極的に入団させるスカウトの目の確かさも評価する必要があるだろう。
 マリーンズのスカウトの戦略と基本的な考え方について、スカウト部門のリーダーのひとり、松本尚樹編成部編成統括に話を聞いた。
(略)
「西野も岡田もマリンスタジアムでテストしてから指名しました。もちろん、それまでも見ていましたが、指名前の最終確認みたいな感じですね。西野は、球速はそれほどでもありませんでしたが、フォークボールなどの変化球がよかった。それに県立の進学校(富山・新湊高)で成績も上位。頭のいい子なんです。育成というのはコーチがすべて手取り足取り教えるというわけには行かない。練習や投球の組み立ても自分なりに工夫する必要がある。この選手なら自分で考えてそれができるという見通しで指名したんです。そして岡田はなんといっても足ですね」
 下位や育成で指名する際、マリーンズが重視するのは総合的なセンスよりも飛び抜けた能力、ひとつのセールスポイントだという。
「アマチュアの時はセンスだけで、何でもできてしまう子がいます。そういう子はプロに入ると、案外、伸び悩むこともある。何かひとつだけすごい素質を持っている選手は、出てくるまでに時間はかかりますが、精神的にも肉体的にもへこたれない強さがあります」
(略)
 その代表が昨シーズン首位打者になり、WBCにも選ばれた角中だという。
「彼は独立リーグのころから見ていました。決して器用な選手じゃないけど、体に強さがあった。スイングが速いし、ハードな練習を続けていっても状態が変わらない体の強靭さを持っていました。数字などではなく、そのあたりが指名の決め手になりました」
(略)
「10年余りやってきて、スカウトというのはあまり人の話を聞いちゃいけない。アドバイスを受け付けないというのではなく、他球団の人の評価などは聞かないほうがいいという意味です。どうしてもそれに引きずられますからね。だからウチは基本的に個別に動きます。いかに他と違う目を持ち、違う動きができるかが勝負だと思うんですよ」

私は松本編成統括に絶大な信頼を置いていまして。現役時代好きな選手だった(早い引退に「なんでだよ!」と泣いた)こともあるのですが、西岡の入団当たりからですかね、スカウトとして信頼するようになったのは。マリーンズ入に難色を示していた西岡を説得、入団までこぎつけ、西岡に「応援歌は松本さんのを」とまで言わせた(西岡の応援歌、「カチューシャ」は元々松本氏の応援歌でした)その経緯からでした。

もちろん下位指名ばかりが目立つようではスカウティング失敗ですが(上位が活躍していないという意味で)、それでも確実に「スカウトの観る眼」で獲得した下位選手もいるわけです。記事中にある西野や岡田もそうですし、成瀬だって1コ下の涌井の方が評価上だった。とりわけ感心しているのが、角中の獲得で、前からとてもとても疑問、というか良く眼をつけたなーと思っていたのですよね。角中は高知FDでわずか一年プレーしただけでドラフトされたのですが、その時の成績が確か.254、4本塁打、28打点くらいだった筈。目立った数字ではありません。その選手を指名獲得し、気がつけばパ・リーグ首位打者です。リーグ首位打者ですよ!(マリーンズの話と逸れますが、マリーンズマガジン5月号の記事で一番感動したのが角中の高知FD入りのくだりでした。独立リーグ関係者が誰も角中に関心を払わなかった中で、高知関係者でただ一人が角中に目をつけたと。そのおかげで入団出来たと。今の角中があるのはひとえにこの方の「眼力」ですよね!)
ともあれ、高知の角中を観ていて、評価したマリーンズスカウトがいたということ。数字ではなく、身体の強さなど総合的に観て判断した。担当スカウトがどなたかは判りませんが、これぞマリーンズスカウトの底力ではないでしょうか?なんせドラフト7位ですもんね、他の球団は眼中に無かったということでしょう?
また、そんな選手の獲得にGOサイン出した球団首脳も勇気があったと思います。松本氏がスカウト入ってから今までフロントの顔ぶれは変わっていますが、きちんとスカウトの判断を尊重する土壌はあったのでしょう。

あったりまえの事言いますが、野球選手の人生ってドラフトにかかるかかからないかで、全く変わって来ます。実力があっても獲得されない選手も星の数ほどいたでしょう。プロで成功している選手の最大の要因は選手自身の努力というところはもちろん一番評価しないといけませんけれど、下位指名選手に限って言えば、ともすれば埋もれていた選手を”発掘”した、観るべきところをしっかり観て評価し、プロへの門戸を開いたたスカウトの存在なくしては語れません。入団出来なきゃいくら努力したってプロの世界に入れませんからね。

ドラフトの理想はもちろん上位指名・下位指名選手みんなが活躍することですけれど、「誰も評価しなかった」けど「マリーンズだけが評価した」選手が活躍してくれるって言うのは観ているファンとしても、とても楽しく、そして感慨深いものがあります。これからもそういう選手の発掘を楽しみにしたいです。
育成選手枠がどんどん規模縮小しているのが気になりますが、支配下で上手くやりくりするのも腕の見せ所です。ファイターズの様にね。毎年とまでは言わないまでも、数年に一人くらいは岡田や西野のような存在の選手獲得してくれたら楽しみなのだけど。

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コメント

私もこの記事読みました。あんまり好きなライターさんじゃないんですが…そろそろこのテーマで話をする人が出てきてもいい頃です。
ドラフトの話だけすれば、マリーンズの編成は神。まず指名人数が少ない。この世界6人指名してひとり当たれば御の字なのに、昨年度などは全員当てました。今年は大本命東浜を回避して藤浪(松永)とか嗅覚も鋭い(BJさん東浜押しだったしすみません引き合いに出して)。松永がいなかったらマリーンズの今の快進撃はない。
かといって昔々の根本氏のような奇抜さもなく、丁寧に選手調べてますよね。
角中は目立ちませんでしたが、四国リーグ選抜が浦和´sと試合したときに強肩を披露し、それがきっかけで育成指名から本指名に切り替わったときいてます。でも首位打者とるとは予想しなかっただろーなー。
上位指名は基本アマチュアの有名人ですし、スカウトの腕の見せどころは少ないと思いますが、下位指名はスカウトの感性が勝負。ドラフト4位が出世ワクとか言いますが、確かにそうそうたる顔ぶれで、貧乏不人気球団のスカウトゆえの渾身の仕事と思います。
マリーンズも昔ほどイメージ悪くないし、学生は志望届が必須な分、以前ほどドラフトが荒れませんけどね。 

投稿: てんとう虫 | 2013年5月31日 (金) 01時49分

ドラフトでは、技量・メンタル・知名度とも高いレベルの選手か、メンタルには多少は目をつぶってもスケールの大きな素材で知名度の高い選手を上位で指名し、中位~下位指名は、知名度は低くともメンタル重視で選ぶ傾向があるみたいですね。各チームの中位~下位指名上がりの主力選手を見ると、一芸に秀でている選手や、体格に恵まれないまたは高齢であるものの、即1軍で通用する選手が少なくなく、メンタルが強そうという印象があります。責任感の強さと割り切りの両立ができているというか。

プロに入るような選手はアマでは飛び抜けた存在であり、相手チームは名門といえども玉石混交であるから、ギアの入れどころがわかりやすいでしょうし、心理的に優位に立ってプレーできるでしょう。しかし、高校→大学・社会人→プロと、より上のステージに行くほど玉の割合は高くなり、その中で委縮せずにプレーするためには、メンタルが重要になってくると思います。高卒即プロよりも、できれば大学・社会人を経由するのが望ましいと私としては思っていますが、これがその理由の1つでもあります。

角中選手にはそのようなエピソードがあったのですね。技術を身に着けコンスタントに発揮するための土台である身体の丈夫さは大切ですよね。

「発言権のある人がその人間や手法を評価することによって、たとえ不評の声が多くても、反対派が持っているのは、マイナス票が無効となるゲーム構造におけるマイナス票でしかなくなってしまう」という趣旨の文章を読んだことがあります。良い方に発揮されれば、斬新な手法を推し進めたり、粗削りでぱっとしないものの、よく見れば光るところがある人物を抜擢したりすることができますが、悪しき方に転べば、疑問符がつく人物や手法を用い続けることになってしまいます。後者であるとのそしりを受けかねない状況の中で、角中選手を見出したスカウト、許可したトップ、そして彼自身の努力に拍手です。

投稿: ぷりな | 2013年5月31日 (金) 02時28分

連投すみません。先ほどのコメントの中の「発言権のある人がその人間や手法を評価することによって、たとえ不評の声が多くても、反対派が持っているのは、マイナス票が無効となるゲーム構造におけるマイナス票でしかなくなってしまう」と書いたのはやや不適切だったかもしれません。もしかしたら、彼を見出した方は、発言権は強くはなくても、懸命の説得で他の人々を納得させたかもしれませんし、かなりドライな表現の文章を引き合いに出してしまったなーと思います。すみません。

また、「そしりを受けかねなかった」というのも、大げさな書き方をしてしまったなと思います。しかし、マリーンズファンにも「顕著な成績でもなかったのに良く目を付けたな~」という印象で目立たなかったという状態から、地道な努力を続けて花開いた本人はもちろんのこと、独立リーグ関係者もプロのスカウトも関心を払わなかった選手に目をつけて採用した高知FD関係者、マリーンズスカウトの眼力に敬服です。

投稿: ぷりな | 2013年5月31日 (金) 17時40分

>てんとう虫さん
コメントありがとうございます。

あ、阿部さんそんな好きではないですか(そういう私は可もなく不可もなく、でしょうか。ちなみに私がどうにも合わないライターさんは大ベテランの永◯修氏です・・好きだったらごめんなさい)。記事は面白かったですね。
東浜回避に関しては、マリーンズスカウトの判断が大正解でしたね〜。私がスカウトだったら、出来が悪いの知ってても"4年間恋していた”東浜に走ったでしょう。スカウト失格です。東浜は3年に肩壊してから、悲しいくらい面影が無くなってしまいました。
話が逸れましたが、うん、丁寧にスカウティングしているというイメージですね。結構細かく、いろんな角度から選手を観察してるなーと。いやほんと、下位はスカウトの腕の見せ所です。カープなんかは典型ですけれど、お金ない球団でも選手をしっかり観て獲得出来れば、良い選手は沢山います。金満球団にはその意味でも負けたくない。それにしても、昔の「隠し球」とか楽しかったですね。最近ではファイターズの大嶋獲得はとても面白かったです。

投稿: BJ | 2013年5月31日 (金) 22時05分

>ぷりなさん
コメントありがとうございます。連投お気にせず。

ドラフト上位指名はだいたい同じ顔ぶれになりますから、下位指名こそ球団のカラーが出ると言ってよいでしょう。その意味で「何かひとつだけすごい素質を持っている選手」を見つけ、かつ適性も加味して獲得を決めるところこそ腕の見せ所。
高卒即プロよりも大学・社会人経由の方が望ましいという意見、興味深いです(私はどちらかというと高卒選手を育てる方が好きなので)。高いレベルで揉まれ、プロで指名されるほどに成長した選手はやはり強いですよね。高卒で成功する選手、大社出で成功する選手の比較なんか面白そう。
角中のような、ある意味「個性的」な選手を獲得するのはスカウトも首脳も勇気がいることと思います。ぷりなさんおっしゃるような「発言権のある人がその人間や手法を評価すること」は諸刃の剣でもあり、実際にドラフトの場でも悲喜こもごもあったと想像しますし、失敗の目が出た事もあったでしょう(成功例は目立ちやすいですし)。その場合は後ろ指さされることもあったでしょうし、「そしりを受ける」ことも充分にあったと思います。
それでもそのリスクを冒してまでこれと決めた選手を獲得するスカウトの意志とか執念と言ったものは選手に伝わると思いますし、その選手が努力する為のモチベーションになって、いつか花開く事があれば一番幸せなことなのかも知れません。

投稿: BJ | 2013年5月31日 (金) 22時13分

久しぶりにコメントさせていただきます。

私もこの記事を読みました。
マリーンズに限らず、ドラフトの裏で球団の何年先も見据えて地道に仕事されるスカウトさん達の仕事ぶり・成果をクローズアップした話で、好感持てる内容でした。
この記事では引用された角中選手の話と、外野手の層が厚くなった話が印象的でした。

こういう裏話を知りつつ自軍の選手を応援できる喜び、ありますよね!
私も(応援するライオンズのネタは自分のメインブログから他所のブログがメインにしてしまったのですが・・・)ドラフトの裏話的なネタは大好きです。

投稿: maddog31 | 2013年6月 1日 (土) 22時32分

>maddog31さん
お久しぶりです、コメントありがとうございます!

一つ思うのは、過去と現在において下位指名選手に見るような「冒険」とか「より詳細に選手を絞る」視点って変ったのでしょうかね?昔は広島の木庭さんとか「名物スカウト」に代表されるタイプの方がスカウトのイメージでした。その一方で地道にやっている人いたのかなあ。「隠し球」はありましたが、例えば角中の発掘とかとは違うような。
ライオンズのスカウティング、上手いな〜って思ってるんですよ。秋山、金子のような大卒即即戦力(金子は意外にも他スカウト全般からは「打撃が弱い」って観られていたようですね)、牧田や十亀も見込み通りの戦力になり、永江の様な高卒1年目から活躍する選手、雄星の様に期待通りに成長する高卒選手。このあたりはライオンズの伝統なのでしょうか。
ところで、もう一つのブログ、拝見しました。凄い充実ぶり!楽しみにこれからも読ませていただきますね。

投稿: BJ | 2013年6月 2日 (日) 01時04分

管理人さんお疲れ様です。今日もブログの更新お疲れ様ですっ有り難うございます。残業大変ですねっお体には十分お気をつけ下さいっご自愛下さい。昨日水曜は返信出来ずすみませんm(__)m返そうとコメント打ってたんですが、歳ですねっ。昨日水曜は大好きで憧れの阿部和成さんに勝ちが付かず3勝目出来ずスゴク残念でしたが、代わりにこちらも大好きで尊敬する上野大樹君に1勝目が付き今季初勝利ですがとても嬉しく、TEAMも勝ち益田君も3人できちんと抑えセーブ出来、カルロスロササンにもホールドが付き、松永君を休ませる事が出来て大変良かったですね!中国・四国地方のマリンズファンの皆さんを歓ばせる事が出来て本当に良かったです!。今日の試合のコメントは次に送らせて頂きますねっ。試合、ビデオ(DVD)での確認m(__)mです。九州マリンです。

投稿: | 2013年6月 7日 (金) 00時37分

>九州マリンさん
コメントとありがたきお言葉、ありがとうございます。残業って言っても21時前後くらいまですし、世の中もっと大変な人いますしね、大したことないです。

阿部ちゃんに勝ちがつかなかったのは残念ですが、上野についたのは良かったですね。一時不安定でしたが最近は頑張ってましたし。昨日は松永が失点しちないましたけど、みんな頑張ってくれてます。みんなの力で勝っているという一体感がありますので、今季は楽しいですね!甲子園でも頑張ってほしい!

投稿: BJ | 2013年6月 7日 (金) 13時47分

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